共産主義者同盟(統一委員会)






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■『戦旗』1616号(6月20日)4-5面

 
共産主義者同盟(統一委員会)
 2022年政治集会 基調報告
 





 共産同(統一委員会)政治集会は、四月、五月に全国三カ所で開催された。基調報告は、第一章(総括)二〇二一年の闘い、第二章方針、第三章党建設という構成であった。編集局の責任で第二章方針をここに掲載する。

■第二章 方針

●(1)プロレタリア国際主義貫き反戦闘争を闘おう


 ロシア―プーチン政権は二月二四日、ウクライナ東部二州の「独立」と「平和維持」を理由としてウクライナへの軍事侵攻に踏み込んだ。しかし、東部二州だけではなく、ウクライナ東部国境と同時に、北部のウクライナ・ベラルーシ国境から攻め込み、南部からは黒海艦隊が侵攻した。これは、ウクライナ全土に対する侵略戦争だ。
 プーチン政権は、米帝、欧州各国帝がNATOの東方拡大を進めてきたことを批判し、ロシアと国境を接するウクライナがNATOに加盟することを拒絶する主張を強めてきていた。さらに、ウクライナ・ゼレンスキー政権に極右勢力が関与していることをもって、政権批判を強めてきた。
 一九九〇年代初頭の東欧諸国の政権崩壊、ソ連邦の崩壊と各共和国の独立以降、新自由主義グローバリゼーションの急速な進展の中で、ユーロ圏は東欧に拡大し、EU加盟、NATO加盟が進んできたことは事実だ。しかし、ロシアも、中国、ブラジル、インドとともに、帝国主義の金融資本、金融投機資本が全地球規模で新たな投資先を求めることに呼応して、「経済発展」を遂げてきたことも、また事実である。ロシア、中国は、この現代帝国主義の資本輸出を受け入れ、かつ、帝国主義諸国に伍して、世界覇権の一角を構成しようとしてきた。ロシアはBRICSの一国であるというだけではない。一九九八年から二〇一四年のクリミア併合まで、ロシアは、帝国主義諸国の世界支配会議であるG8サミットの構成国であった。
 米帝・欧州各国帝の主張もロシアの主張も、「地政学」的論争であって、まさにブルジョア支配階級の世界覇権をめぐる論議と同質のものだ。残虐な戦争にまで至った現代世界の分断と対立の構造を、昨年大統領に就任した米帝―バイデンこそが急激に推進してきたことをわれわれは絶対に許さない。バイデン政権は、軍事同盟の修復、強化を進め、中国包囲の軍事外交を進め、「民主主義と専制主義の対決」なるスローガンで分断と対立を煽動してきた。
 帝国主義と中国、ロシアの世界覇権、地域覇権をめぐる大国同士の争闘の延長で、侵略戦争に突入したのだ。ロシア―プーチン政権のウクライナ侵略戦争、ウクライナ人民虐殺を、われわれは満腔の怒りを込めて弾劾する! ロシア軍はただちに殺戮をやめ、撤退せよ!
 当然のことではあるが、われわれはゼレンスキー政権を支持するものではない。
 現在的にはEU諸国、ロシアのいずれも、社会主義・共産主義を目指す政権ではない。支配しているのは巨大独占資本である。その狭間におかれたウクライナ・ゼレンスキー政権とて、資本主義国として、どちらの勢力に与するのか、という選択をしているだけだ。ゼレンスキー政権がウクライナの労働者と農民の階級的利害を代表しているのではない。われわれは、ゼレンスキー政権を支持して、この侵略戦争に反対しているのでは決してない。ウクライナ人民が全く望んでいない戦争を強いられ、日々殺されていくことは、ウクライナ人民の解放に対しても、ウクライナをはじめとした労働者階級人民の解放に対しても、真っ向から敵対する事態だからだ。
 ゼレンスキー政権が、極右勢力の武装組織アゾフ大隊の活動を認め、ルガンスク、ドネツク二州での武力紛争に関与してきたことは事実であるだろう。しかし、他方では、ロシアの「民間軍事会社」ワグネルの非合法な軍事行動がなされてきたこともまた事実だ。
 プーチン政権は、東西冷戦時代のスターリン主義官僚のように労働者人民の利害を仮装した階級的な修飾語すら全く使わない。資本のむき出しの利害、帝国主義的領土分割の要求を、恥じることなく主張している。この戦争の残虐な帝国主義的本質をはっきりと見なければならない。
 ウクライナ人民、そして弾圧に抗して立ち上がるロシア人民と連帯し、全世界の労働者階級人民とともにウクライナ反戦闘争に立ち上がろう。プロレタリア国際主義を貫く国際反戦闘争の一大高揚をもって、プーチン政権の侵略戦争をやめさせよう。

●(2)改憲阻止! クアッド粉砕! 岸田政権打倒

 われわれは本年の具体的な政治攻防を闘い抜いて、岸田政権打倒の全人民的政治闘争の前進をかちとっていく。その第一は、岸田政権の軍拡・改憲攻撃と対決し、反戦・反基地・反安保闘争を推進していくことである。
 本年年頭の日米2+2は、日米軍事同盟のさらなる強化を進め、「台湾有事」への自衛隊の出動を念頭に置いた「日米共同作戦計画」の策定に踏み出した。2+2は、自衛隊施設の米軍共同使用、有事の際の臨時軍事拠点化を確認している。琉球弧では自衛隊の配備増強とミサイル基地・レーダー基地の建設・強化が続いている。これらは、日帝の軍事予算の大幅増強、米軍に対する同盟強靭化予算(これまでの「思いやり予算」だ!)の増額をともなって進められている。岩国基地をはじめ各地で米軍基地が強化され、日米合同軍事演習をはじめとした二国間・多国間の軍事演習がますます拡大・強化されている。
 岸田政権は、ウクライナ戦争に乗じて「敵基地攻撃能力」の保有と憲法九条改悪に向けた動きを強めている。通常国会の予算審議中から憲法審査会の開催が強行されてきた。維新の会や国民民主、立憲民主が、ここに積極的に関与してきた。自民党・公明党は、本年七月の参院選を、改憲と軍事大国化に向けた政治決戦として位置づけている。改憲阻止を鮮明にして、自・公・維新の改憲勢力と対決していくことが問われている。
 岸田政権―自民党は、ウクライナ戦争を都合よくアジアに置き換えて「台湾海峡有事」を主張し、「中国の侵攻」という仮定を前提にして戦争論議を拡大している。安倍晋三や松井一郎(維新の会代表)は「核兵器の保有・使用」に論を進め、米帝の核を日本に配備して使用できるようにする「核共有」論を公然と主張し始めている。
 コロナ禍で経済停滞がおき、一方では対中国包囲の軍事同盟が強められる中で、岸田政権は日帝ブルジョアジーの利害として「経済安全保障」の強化を主張している。今通常国会で経済安全保障推進法案を押し通そうとしている。
 ウクライナ戦争に乗じたロシア人民に対する排外主義的憎悪の煽動、あるいは「中国の脅威」という排外主義煽動を絶対に許してはならない。日帝の急加速する軍拡、核武装の攻撃と断固として対決していこう。自国帝国主義打倒の立場を鮮明に、全国各地で反戦・反基地・反安保闘争を前進させていこう。
 岸田政権は、米帝とともに中国包囲のアジア外交を進めている。五月には、クアッド首脳会議を日本で開催しようとしている。日米帝国主義によるアジア軍事支配の強化、アジアにおける侵略戦争準備を阻止しよう。岸田政権と対決していこう。

●(3)5・15沖縄解放闘争


 第二に、沖縄解放闘争を前進させ、辺野古新基地建設阻止闘争を推し進めていくことである。
 昨年一一月二五日、玉城デニー知事は辺野古埋め立て工事設計変更の不承認を決定した。沖縄防衛局はただちに行政不服審査法にもとづく審査請求を国土交通相に申し立てた。国交相は四月八日、「不承認取り消し」を裁定した。あくまで辺野古新基地建設を推進しようとする支配階級の意思をあらためて示した。しかも、その埋め立て工事は、今も沖縄戦の犠牲者の遺骨が眠る土地の土砂を使ってなそうとしているのだ。こんなことが許せるはずがない。
 辺野古新基地建設阻止はこのかん何度も示されてきた沖縄の民意だ。それに応え連帯する「本土」各地での闘いをさらに大きくつくりだし前進させていかなくてはならない。
 本年は、沖縄解放闘争と辺野古新基地建設阻止闘争にとってきわめて重要な年である。沖縄の反革命的統合から五〇年目の節目の年であり、また、夏の参院選、そして九月の沖縄知事選と統一地方選など重要な選挙闘争が連続する。一月二三日の名護市長選は反基地勢力側が敗北を余儀なくされたが、米軍基地撤去を希求する沖縄人民の総意を反映すべく、選挙闘争に何としても勝利していかなくてはならない。
 沖縄を戦場化する攻撃を許してはならない。日米帝の中国包囲戦略に基づいた琉球弧の自衛隊配備増強を許さぬ闘いを進めよう。
 岸田政権は、「復帰五〇年」の記念式典を沖縄「県」と政府との共催、沖縄と東京との同時開催とすることで、政治的に介入し統制していこうとしている。沖縄の差別軍事支配をさらに強化する攻撃としての式典を許してはならない。その上で、秋の「国民文化祭」には天皇沖縄上陸が狙われている。
 様々な取り組みをもって辺野古現地での闘いと結びつき、新基地建設を最終的な断念に追い込もう。五月、全国から沖縄に結集しよう。沖縄―「本土」を貫いて5・15沖縄解放闘争を闘おう。政府式典を許さず闘い抜こう。

●(4)反帝闘争を闘い抜こう
▼①三里塚闘争


 市東さんの農地強奪を許さず、強制執行攻撃と対決し、反戦の砦、反帝闘争の拠点としての三里塚闘争を闘い抜いていこう。
 最高裁は昨年六月、反対同盟員・市東孝雄さんの農地をめぐる請求異議裁判の上告棄却を決定することで、政府と成田空港会社が狙う天神峰・南台の農地の強制執行の「法的根拠」を与えた。現在、ブルジョア法的には強制執行による農地強奪がいつでも可能な状態が続いている。
 反対同盟と現地支援勢力は、東京高裁判決で強制執行が可能となった昨年四月から、すでに一年以上、実力で対峙・対決する態勢をとって、強制執行を阻止し続けている。反対同盟はこの一年間の実力行動の勝利を3・27芝山現地闘争で強く確認した。この闘いを支え、市東さんの農地を守り抜く現地攻防に全国から参加しよう。
 政府と成田空港会社は、空港面積を現在の二倍にまで拡張し、周辺住民の騒音被害を拡大する空港機能強化―第3滑走路建設を進めようとしている。しかし、コロナ禍はそのような計画のでたらめさ、不必要性を暴き出した。元々減少傾向にあった成田の航空需要の縮小は、コロナ禍によって大きく促進された。農地強奪や新たな滑走路建設の必要性など、どこにも存在しないのである。
 われわれは現闘、行動隊を先頭にして、反対同盟と共に、断固として現地攻防を闘い抜いていく決意だ。

▼②反原発闘争

 原発再稼働阻止闘争を軸にして、反原発闘争を推進していくことである。
 昨年一〇月に閣議決定された第六次エネルギー基本計画は、総発電量における原発の比率をこれまでと同じ20~22%に据え置いた。人民の過半が原発の廃炉を求めているなかで、その民意を無視する決定である。それだけでなく、今回は盛り込まれなかったものの、原発の新増設が、日本でも気候変動対策などを口実にして進められようとしている。徹底的に弾劾しなくてはならない。
 全原発の停止―廃炉を実現するための展望として、原発再稼働阻止闘争、とりわけ四〇年超え老朽原発の再稼働を許さない闘いを推進していこう。同時に、四〇年におよぶ地元住民の闘いに連帯し、上関原発建設を断念させるために闘おう。
 政府と東電は、福島原発事故による汚染水を海洋に放出しようとしている。断固反対して闘おう。その被害は日本国内だけでなく、多くの国・地域の人民に及ぶ。それを許さず闘うことはわれわれの国際主義的な課題だ。
 福島からの避難者ヘの支援の打ち切りを許さず、福島の人々の困難な闘いへの連帯に取り組もう。あわせて、あらかぶ裁判をはじめ原発被ばく労働者の闘いへの支援・連帯を進めよう。

③反弾圧闘争

 権力弾圧を打ち破って闘い抜こう。
 まず何よりも、このかん連帯労組関西生コン支部に対してかけられてきた大弾圧に対する階級的反撃を、闘う労働者人民、労働組合と共に断固として組織していくことである。
 このかんの大衆的反撃戦の拡大は、加茂生コン事件での「強要未遂」なる警察・検察のストーリーを粉砕し、大阪高裁での勝利的判決を導いた(昨年一二月)。しかしその後の大阪府警第二次弾圧事件控訴審(二月)、和歌山広域協事件一審判決(三月)では不当判決が続いている。断固弾劾する。
 関西生コン支部と労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会は、大阪、京都、滋賀、和歌山での裁判闘争に加えて、警察・検察の横暴を許さない4・10滋賀集会や大津地裁前連続行動をはじめ、さまざまな闘いを繰り広げている。言うまでもなく、関西生コン支部にかけられた攻撃は、すべての闘う労働組合、社会運動にかけられた攻撃である。われわれは、労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会に結集する仲間とともに、権力弾圧に対する階級的反撃の闘いを推進し、すべての裁判闘争の勝利に向けて闘い抜く。
 同時に、権力による労働運動、社会運動への政治弾圧は、昨年の韓国サンケン争議支援の闘いへの弾圧が示すように、強まり広がっている。不当な弾圧を徹底的に弾劾し、同時に弾圧に屈しない闘いの強化を勝ち取っていこう。

●(5)階級闘争構造建設

 われわれは反戦闘争をはじめとする反帝闘争を闘い抜くと同時に、日本における階級闘争の拠点建設・陣形建設を位置付け進めてきた。その階級闘争構造建設の領域における課題を以下に提起する。

▼①階級的労働運動の飛躍を

 われわれは、産業別・業種別労働組合の建設と、地域合同労組・地域一般労組建設の推進を、路線的に鮮明にしてきた。この二つを言わば「縦糸と横糸」とする共闘構造を各地で編み上げ、同時に大衆的政治闘争や被抑圧人民・被差別大衆の解放運動と結びつくことで、労働組合・労働運動を日帝―独占資本と闘う階級闘争の基盤として再構築することをめざしてきた。それは、連合支配を打ち破って労働者の階級的団結を回復し、階級形成をおし進めるための実践的な道でもある。
 コロナ禍が続く中で、多くの労働者が雇い止めや解雇、長期休業の強制に直面してきた。とりわけ非正規、女性、青年、外国人労働者に、その犠牲が集中している。また、医療・福祉の現場などでは苛酷な労働実態を強いられている。労働者内部での格差と分断、貧困が拡大している。
 最も犠牲を強いられる層の労働者の利害に依拠し、その生活と権利を守る闘いを全力で推進していこう。大幅賃上げ、全国一律最低賃金一五〇〇円、均等待遇の実現、社会保障の改悪阻止、技能実習生など外国人労働者の権利確立、これらの実現を22春闘においても闘ってきている。同時に、反戦闘争、反差別解放闘争、国際連帯運動を労働運動の立場から取り組んできた。
 日帝ブルジョアジーは、「第四次産業革命」の推進をもって裁量労働制をはじめとする労働政策の転換、労働者保護制度の解体を進めようとしている。八時間労働制を解体し、労働者階級の集団性と階級的自覚を奪い取って分断し、資本に都合の良い形に労働と労働者を再編成していこうとするものだ。この攻撃の中で、連帯労組関西生コン支部への大弾圧や韓国サンケン労組支援に対する弾圧など、労働組合運動に対する弾圧が強まっている。それを打ち破り、新たな形で強まる資本攻勢と対決する階級的労働運動の飛躍をぜひとも実現しよう。

▼②被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争の推進を

 現代資本主義世界が分断と対立を強め、戦争に突入している中で、日帝は侵略反革命戦争総動員体制の構築を進め、国内階級支配を再編・強化しようとしている。国家権力による排外主義煽動の強まりと極右勢力、差別排外主義集団の台頭をもたらしている。それと断固対決し、被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争の前進を共にかち取っていこう。
 部落解放運動においては、無実の石川一雄さんの狭山第三次再審闘争の攻防が煮詰まっている。再審実現のために力を集中し、全国各地での取り組みを発展させていこう。鳥取ループ・示現舎の「全国部落調査」復刻版出版事件に関する東京地裁差別判決を弾劾するとともに、SNSなどを通した部落差別の煽動を許さず断固として闘い抜こう。
 障害者解放運動においては、天皇制優生思想にもとづく障害者差別抹殺攻撃を許さず、断固として闘い抜いていくことである。旧優生保護法の下で強制された不妊手術に関する訴訟で国に賠償を命ずる判決が出されているが、国はこれに応じず、上告している。障害者は、コロナ禍と「医療崩壊」の中で、必要な対策、必要な介護すら受けられないような日常的現実に直面してきた。さらに、「命の選別」を肯定するような差別的言辞も発生してきた。それを許さず、障害者・精神障害者の解放闘争を前進させよう。
 被爆者、被爆二世・三世の解放闘争は、反戦・反核・反原発・被爆者解放を掲げ、8・6広島闘争をはじめとする反戦・反核闘争の先頭に立ってきた。上関原発建設阻止闘争に取り組み、日韓反核闘争連帯の闘いを進めてきた。被爆二世集団訴訟をはじめ、国籍を問わず全ての被爆者、被爆二世・三世に対する国家補償を要求して闘っている。この地平をさらにおし広げていこう。
 沖縄解放闘争は、沖縄の反革命的統合五〇年という歴史的な節目にある。辺野古新基地建設阻止―普天間基地撤去、自衛隊の配備増強粉砕など直面する闘いを推進しつつ、沖縄―「本土」の歴史的・構造的関係をあらためて捉え返し、沖縄解放―安保粉砕―日帝打倒・米帝放逐の綱領的・路線的闘いを推進していこう。沖縄人民の自己決定権を支持し、沖縄―「本土」人民の革命的団結を創造・発展させ、同時に沖縄人共産主義者とその闘いの建設・前進を実現しよう。
 女性解放闘争においては、コロナ禍の中で労働現場や家庭における女性の抑圧・犠牲が様々な形で強まっている現実を踏まえ、女性差別の現実と闘い、女性の団結を促進する大衆的な運動をぜひともつくりだし、前進させていかなくてはならない。また、日本軍性奴隷制度被害者への支援、戦後補償実現の闘いも重要な課題だ。それらを通して女性の階級的・国際主義的団結を発展させ、女性解放運動の前進をかち取ろう。
 同時に、セクシャル・マイノリティーの解放闘争に具体的に取り組んでいくことが必要だ。多国籍企業をはじめとする大企業が「ダイバーシティー」(性の多様性)を謳い、「LGBT法案」の国会提出が議論される中で、われわれを含む革命的左派の取り組みは立ち遅れている。そのことを率直に認め、現実から学び、当該の人々と共に、セクシャル・マイノリティーの階級的な解放運動をつくりだしていかなくてはならない。
 在日・滞日外国人と連帯し、入管闘争を推進していくことである。入管法改悪案の再度の国会上程を阻止するために闘おう。日帝ブルジョアジーは「外国人人材の導入」の拡大を一歩一歩進めながら、彼らを雇用の調整弁として底辺労働に据え置き、入管体制の下で抑圧・監視体制を強めようとしている。在日・滞日外国人の権利の前進と確立、さらに国内階級支配の一環であり、差別・抑圧と排除を基調とする入管法―入管体制の解体に向けて闘いを前進させよう。

▼③青年運動の前進を

 われわれは、青年運動をさらに推進し、青年の階級闘争場裡への登場を促進していく。
 新自由主義政策は、多くの青年をして将来の展望を描くことが困難な非正規労働に追いやり、貧困と社会的閉塞感・孤立感を拡大させてきた。学生層においても高額な学費と学業・アルバイトのタイトなスケジュールのなかで同様の事態に直面している。コロナ禍はそのような状況を増勢し、青年層における生活危機とも言える状況をも生み出してきた。
 しかし、この現在の社会のあり様に疑問と批判を持つ青年自身による社会変革の活動への新たな参画も始まっている。
 青年層の闘いは、言うまでもなく日本階級闘争の未来を担う闘いである。われわれは様々な形での立ち上がりを支え、促進していく。同時に、われわれにとって、あるいは、社会の根本的変革を展望した階級闘争の前進にとって重要なのは、階級的、反帝国主義的、国際主義的な青年自身の運動を今日の情勢と条件の中で前進させていくことである。
 学習活動や様々な現場の闘いを通して、階級的世界観を獲得し、自らの階級的・国際的位置を自覚して、国内外の労働者階級、被抑圧人民・被差別大衆の闘いとの連帯実践をともにつくり出していこう。反戦・反基地闘争などへの決起を通して自国帝国主義打倒に向けた階級的闘争にともに参画していこうではないか。

▼④反帝国際主義派の闘い

 日帝足下において、反帝国際主義派の政治潮流を、実体をもって建設していくことが問われている。
 アジア太平洋地域の民衆団体の国際ネットワークである「日米帝国主義の侵略・支配に反対するアジア・キャンペーン」(AWC)は、今年一〇月に創設三〇周年を迎える。このような長期にわたり、韓国、フィリピン、台湾、インドネシア、米国、日本などの民衆団体が、反帝国主義に基づく団結を維持し、反帝共同闘争を実践的に組織し続けてきたことの意義は実に大きい。その国際的な闘いを支え、さらなる前進をかち取ろう。
 コロナ情勢の現実のなかでは、国境をまたぐ往来、民衆運動の直接的な結合は難しい情況にある。オンラインを通じた交流・連帯・結合など創意工夫して、AWC運動の国際的な発展を支え、反帝国主義・プロレタリア国際主義にもとづく国際連帯運動を前進させてこう。
 同時に、われわれの反帝国主義・プロレタリア国際主義の実践的内実として、韓国サンケン争議支援など日系侵出企業下で闘う労働者の争議支援、在日・滞日外国人の闘いへの連帯と共同闘争、日帝の侵略戦争・植民地支配に対する日本政府による公式謝罪と賠償の実現のための闘いを推進していこう。

▼⑤左派共闘の発展を勝ち取ろう

 左派勢力の結集と共闘を前進・発展させていくことは、日本の階級闘争において重要な課題である。岸田政権打倒に向けた全人民的政治闘争の発展、日本帝国主義と対決する階級闘争を、実力闘争を基礎に切り拓くための共同の努力を、われわれは資本主義批判・帝国主義批判に立脚する全国の共産主義者、共産主義党、闘う活動家たちと共に推進していきたいと考えている。
 この見地から、われわれは「有事立法―改憲阻止 反帝国際連帯 反戦闘争実行委員会(反戦闘争実)」、「資本主義を超える新しい時代を拓く反戦実行委員会(反戦実)」、「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委員会」、「九条改憲阻止共同行動」に積極的に参加し、その一端を担ってきた。
 われわれは国政選挙をめぐるいわゆる「野党共闘」や「野党と市民の共闘」の取り組みを一般的に否定したりはしないし、人民の今日的要求を背景に条件のある地方においてはそれを実践的に促進していく。しかし、いまここで問題にしているのは、日本帝国主義の打倒、あるいは革命の実現という課題との関係での革命的左派の独自の役割と実践であり、そこに照準づけられた階級再編の問題である。
 すなわち、左派勢力の共闘を拡大し、その内実を深化させていくという課題は、日本帝国主義の労働者人民に対する激しい攻撃が不可避に要請しているものであると同時に、日本における共産主義運動の再建に関わる課題である。そのためにも、全人民的政治闘争、反帝闘争における実践を共通の基盤として、様々な分野での討議、交流、共同行動を積極的に進めていく。分散を克服し、左派勢力の共闘を前進させ、日本階級闘争の戦闘的再編を切り拓こう。

 


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